江戸刷リ物品定メ〜二代目金沢文庫長の秘策〜

横浜市 神奈川県立金沢文庫 TEL.045-701-9069

開催期間:2020年7月31日(金)~9月27日(日)

鎌倉時代に北条実時(1224〜1276)が創設し、金沢北条氏滅亡後は、隣接する菩提寺の称名寺によって管理されてきた金沢文庫の蔵書類を伝えるために、1930年、神奈川県立金沢文庫が開館。第二次大戦中は戦意高揚に利用されたため、戦後難しい局面を迎えたが、このとき二代目文庫長に就任した神奈川県初の司書・熊原政男(1908〜1980)は、郷土意識を盛り立て戦後復興の原動力とし、危機を乗り切るという「秘策」を繰り出した。開館以来収集してきた近世の版本類を、絵図・地図、金沢八景、徒然草といったテーマのもとにコレクション化して、神奈川県近郊の催事場に出開帳し、関連書籍を出版して金沢文庫をアピールすることに成功。通常あまり展示されないこうした江戸時代の刷り物を展示し、開館90周年を迎える館の歴史の一端を紹介する。