時を超えるイヴ・クラインの想像力—不確かさと非物質的なるもの

金沢市 金沢21世紀美術館 TEL.076-220-2800

開催期間:2022年10月1日(土)~2023年3月5日(日)

自ら開発した鮮やかな青の顔料「インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)」で知られるフランスの作家イヴ・クライン(1928〜62)。19歳のとき、空の中に非物質的な世界を見出したことから絵を描き始め、最初のモノクローム(単色)の理論を打ち立てた。1952〜53年に日本に滞在し、柔道の黒帯を取得して精神と身体の関係を探求したことでも知られている。この時代、自分の身体や物質、空間の関係委をゼロから見直すような実験的な芸術の試みとして、イタリアでは空間主義運動、ドイツなどでは「ゼロ」、日本では「具体」などが展開された。今展では、イヴ・クラインを中心に、イタリアのルーチョ・フォンタナ(1899〜1968)、「具体」の白髪一雄(1924〜2008)、元永定正(1922〜2011)ら同時代の作家、さらにハルーン・ミルザ(1977〜)、キムスージャ(1957〜)、布施琳太郎(1994〜)、トマス・サラセーノ(1973〜)といった現代の作家を加えて、その芸術に共通する「非物質性」というテーマを浮かび上がらせる。