光陰礼讃—近代日本最初の洋画コレクション

京都市 泉屋博古館 TEL.075-771-6411

開催期間:2023年3月14日(火)~5月21日(日)

明治時代後期に近代企業としての住友グループの礎を築いた第15代当主・住友吉左衞門友純(号:春翠、1864〜1926)が1897年の欧米視察の際にパリで購入したクロード・モネの油彩画2点《サン=シメオン農場の道》(1864年)と《モンソー公園》(1876年)は、日本に最初期にもたらされたモネの真筆とされる。一方で、留学資金を支援した洋画家・鹿子木孟郎(かのこぎ・たけしろう、1874〜1941)が師事したアカデミズムの画家ジャン=ポール・ローランス(1938〜1921)の代表作《マルソー将軍の遺体の前のオーストリアの参謀たち》(1877年)を収集するなど、春翠の洋画コレクションは同時代の印象派と古典派の作品が揃って収集されているところに特徴がある。光を追い求めた印象派と陰影表現による実在感を追求した古典派を「光陰」と捉え「光陰」二つの流れから展開した近代洋画の数々を紹介する。