中将姫と當麻曼荼羅—祈りが紡ぐ物語—貞享本當麻曼荼羅修理完成記念

奈良市 奈良国立博物館 TEL.050-5542-8600(ハローダイヤル)

開催期間:2022年7月16日(土)~8月28日(日)

奈良・當麻寺(たいまじ)の本尊である《綴織當麻曼荼羅(つづれおりたいままんだら》(国宝、當麻寺蔵)は、およそ1250年前に現れた奇跡の曼荼羅として尊ばれてきた。そしてこの曼荼羅の成立には、極楽往生を望んだ奈良時代の貴族の娘である中将姫(ちゅうじょうひめ)が関わったという伝承が鎌倉時代から現在にいたるまで広く知られている。中世以降、約4メートル四方の巨大な織物であるこの綴織當麻曼荼羅の絵画による縮小版や原寸大の写しが多数描かれてきた。中でも最も精細に図様を伝え、鮮やかな色彩で描かれた名品が、江戸時代の延宝7年(1679)に描かれ、貞享3年(1686)に霊元天皇の宸筆(しんぴつ)を得て完成した《貞享本(じょうきょうぼん)當麻曼荼羅》(重要文化財、當麻寺蔵)。今展では、修理を終えた貞享本の美しい姿を披露し、修理過程で確認された資料を紹介しながら、貞享本製作プロジェクトの全貌を紹介する。周辺の當麻曼荼羅信仰や、連動する中将姫信仰の動向についても紹介。