小磯良平と吉原治良

神戸市 兵庫県立美術館 TEL.078-262-0901 

開催期間:2018年3月24日(土)~5月27日(日)

神戸中山手通生まれの小磯良平(1903〜1988)は、東京美術学校を主席で卒業後、渡欧を経て具象画家としての地位を確立。従軍画家も勤め、戦後は母校の東京藝術大学で多くの後進を育てた。大阪淀屋橋南詰の植物油問屋「吉原商店」の次男に産まれた吉原治良(1905〜1972)は、ほぼ独学で絵を描き始め、家業の経営も行ないながら抽象絵画を究め、二科会に出品。九室会の結成にも参加した。1954年、芦屋で「具体美術協会」を立ち上げ、海外の前衛美術とも交流。「具体」からは多くの芸術家が巣立った。年齢も阪神間という活動の場もきわめて近いにもかかわらず、これまで両者の画業が同時に評価されることはなかった。今展では、「第1章 1920年代:初期の画業」「第2章 1930〜40年代前期:充実と激動の時代」「第3章 戦後-1950年代前期:変革の時代」「第4章 1950-60年代:暗中模索と後進育成のはざまで」「第5章 晩年:飛躍と成熟の時代と終幕」という構成のもとに初めて二人の作品を並置し、その対照性と類似性を明らかにする。二人が同じ教科書づくりに関わっていたなどのエピソードも紹介。