富本憲吉入門—彼はなぜ日本近代陶芸の巨匠なのか

奈良市 奈良県立美術館 TEL.0742-23-3968

開催期間:2019年6月29日(土)~9月1日(日)

現在の奈良県生駒郡安堵町に生まれた富本憲吉(1886〜1963)は、1904年に東京美術学校図案科入学の後、1908年からロンドンに留学。帰国後に親交を結んだバーナード・リーチ(1887〜1979)の影響で、1913年に楽焼の制作を始め、ほぼ独学で土焼・白磁・染付と多様な創作活動を展開。1936年の九谷滞在以後は、華麗な色絵磁器の作品を次々と発表する。既成の模様によらず独自の模様を創造することに情熱を注ぎ、終戦後は京都に拠点を移し、金銀を同時に焼き付ける色絵金銀彩の技法を完成させた。1955年「色絵磁器」で重要無形民俗文化財技術保持者(人間国宝)に認定され、1961年文化勲章を受章。新たに寄贈された21件を披露するのに加え、奈良県立美術館以外のコレクションからも多数出品をあおぎ、総数約160件により富本の歩みをたどり、その魅力を紹介する。